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憧れの青い山

 ブルーマウンテンという豆はジャマイカ島の高地で僅かに採れるらしい。
 同じ種類の木でも、ジャマイカ島の低地で採れる豆は「ジャマイカ」であってブルーマウンテンを名乗る事はできないらしい。
 ここまでは、いい。
 その「僅かしか採れない」筈のブルーマウンテンがなんでこんなにたくさんの種類があるのか。そして市場に出回るその総量たるや生産量の何倍あるのか。Wikipediaにも

>国内での「ブルーマウンテン」販売量は、正規輸入量の3倍

と堂々と書かれている。しかも「輸出量の95%が日本向け」とも。

 ブルーマウンテンと言えば高級豆である。当然、値段も高価い。だからそれに見合う腕と舌を得るまでは買う事も飲む事もすまいと思って30年ぐらい手を出さずにきた。

 先日。そう、映画の撮影最終日の前日。テアトル石和の有泉氏に誘われて僕は「ラブ甲州」の小川氏を訪ねた。行ってみたら、珍しい豆があると言う。それが貰い物のブルーマウンテンだというのだ。平素生豆を買って自ら焙煎している彼だが、焙煎済みの豆を貰ったのだそうな。だからどんな焙煎かもわからない。とにかく飲んでみようという事になり、淹れて戴いた。

 ちょっと僕の好みより煎りは深いが、芳醇な香りとバランスよく揃った苦味、酸味そして甘味。参ったな、ブルーマウンテンってうまいんだ。「バランスがいい」と言えばブラジルだが、次元が違う。新宿ヤマモトコーヒーのモンテアズール(「ブラジルのブルーマウンテン」と呼ばれる豆)も並のブラジルより1格上だが、それとすら比較にならない「高さ」だ。これが「本物のブルーマウンテン」かどうかは知らないが、このコーヒーは「本物」だ。その夜、帰って自宅のマンデリンとか淹れてみたりしたせいか寝そびれて撮影最終日は睡魔との闘いだった。エキストラで座ってる時に居眠りした(汗)。

 不覚にもブルーマウンテンを「うまい」と認識してしまい、今度、タケイのブルーマウンテンを買ってみようかという気持ちがむらむらと湧き上がってしまったのだった。高価な豆である。今度と言っても次の購入ではないし、そんなにすぐでもないだろうけど、腕や舌はこれから努力しても「衰えないよう」にするのがせいぜいで生きてるうちに今より高い所へは行けない可能性が高い年齢になってしまった。そろそろ飲まないと後悔するかも知れない。てかそれに気付くのももうかなり遅いかも。
Tracked from そんぴの近況 at 2014-04-28 20:21
タイトル : さらばモンテアズール
憧れの青い山  新宿ヤマモトコーヒーでモンテアズールを注文したら「モンテアレグレ」という豆を寄越した。間違いではないかと確認したら「モンテアズールって名前を使えなくなった」由。  昨年ニューギニアブルーを買おうとした時も品種名が「ニューギニア」だけになっていた。恐らくブルーマウンテンの「偽者」撲滅キャンペーンでも起きているのではないか。まぁニューギニアなんか元々ブルーマウンテンの苗を移植してブルーマウンテンに匹敵するクオリティを出していて、実際偽者として結構流通してしまった前科もあるらしいから...... more
Tracked from そんぴの近況 at 2014-10-05 18:34
タイトル : 真・憧れの青い山
憧れの青い山よりトラックバック  ブルーマウンテンが手に入らなくなるという噂を聞いた。その時聞いた噂ではジャマイカ島の不作という話だったが、正しい情報ではなかったようだ。  これまで、ブルーマウンテンを買った事は1度しかない。それも師匠への手土産用。なので自分用に買った事はなかった。そんな高級豆に手を出すにはまだ未熟と思っていたが、既に人生曲線的には下り坂に入っており、今後今以上に味が判るようになる可能性はまずない。むしろ急いだ方がよいのではとようやく気づき始めていた時であったので、このまま一...... more
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by sompi1 | 2011-04-16 03:52 | 珈琲 | Trackback(2) | Comments(0)