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D級アンプ

なんとも小さい
 11月1日、秋葉原でD級アンプ"RSDA202"を購入。「デジタルアンプ」と称して売られていたが、この呼称は正確ではない。「D級アンプ」というのも厳密には正確でないし充分に認知された呼称でもないのだが、実に絶妙な呼称だと思うのでできれば「事実上の標準」の地位を得て欲しいので応援する。本当に正確な呼称としては「スイッチングアンプ」とか「PWMアンプ」とかって事になるんだろうな…ただしこの製品が本当にPWMかは知らないのでそれも断言はできないか。
 アナログオーディオに人生を捧げてきた身としてはD級アンプにはいささか抵抗も偏見もあるのだが、その利点も理解しているつもり。ガソリンエンジンの世界ではどんなに楽しくてももう2ストロークエンジンは作られないし、オーディオの世界でも一番楽しかったアナログレコードのピックアップ周りはもう過去の遺物でしかない。次に楽しいアンプの世界も電力増幅段はA級でもAB級でもなくD級が今後主流になっていくだろうし、リニアの電力増幅段は超贅沢品として残るのみだろう。

 D級アンプを食わず嫌いしたままではオーディオの世界からも取り残されてしまう。そんな焦りも少なからずあった。しかしD級ではカウンター駆動(BTL構成)が容易であり、実際主流になりつつもある。リニアアンプの時代に20年待ってもついに主流にならなかったカウンター駆動はD級アンプにも同様に有効であり、これの有無がリニアアンプとの地位を逆転させる鍵にもなりかねない。
 それを確かめる意味でも、僕はD級アンプを手に入れねばならなかった。最初はキットを買おうと考えていた。しかし決心して店頭に赴いたらキットの部品代と大差ない価格で完成品が出ていた。加工のコスト(時間/人件費)を考えたら格段に安い。迷わずこれを購入。仮に期待した通りのショボい代物でも充分に使い道はある。とりあえず寝室の2段バスレフにつないでみた。
 元々当家の寝室には寝室用に開発された"Morpheus"があったのだが、メインシステム大破に伴い居間で当家主力機の座に着いて久しい。寝室では専らノートPCでネットラジオだったのでPC用の小さなスピーカを使っていた。ここに20Wのパワーアンプをもってきた。
 20W+20Wと言っても14Vの電源で4Ωの負荷をつないだ時の値だ。12Vの電源で8Ωのスピーカでは10Wも出ない。この「BTLでありながら最初から4Ω負荷設計」というのも実の所中のICがカーステレオ用に開発されたICだからなのだが、リニアアンプの時代からBTLで4Ω負荷設計のカーステレオ用パワーICはかなり高性能で「タイムドメイン」なんかはこれで10万円以上のパワーアンプを堂々と商品化していた。

 さて、本体価格1万290円のこのアンプに秋月で入手したスイッチングレギュレータのACアダプタ12V5A(1,600円)を接続してCDを鳴らしてみた。2段バスレフは電気的に「重く」アンプのフォースを大量に要求する。果たしてこの小さなアンプは期待を裏切って結構いい音出してくれた。高音が濁るでもなく、低音もゆったりと出る。ちょっと嬉しい誤算。これは寝室用アンプとして正式採用してもよさそうだ。多少改造すれば使える程度になるかなと思っていたのだが無改造でここまでやるとは。

 少し、心にオーディオの火が蘇った気がした。それにしてもこの青LEDうるさいな。寝室なので照明を落とすと眩しいぐらい光る。音質面よりまずここを改造しなくてはいかんかも知れない。

11/25'07
見た目はアレですが
 ACアダプタと本体の間にニチコンMUSE16V10,000μFを入れてみた。低音の駆動力が増した感じ。
Commented by そんぴ at 2011-12-25 20:07 x
 「スイッチングアンプ」という呼称が地位を延ばしてきているようだ。この呼び方もいいな。内容をよく表してる。
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by sompi1 | 2007-11-21 03:15 | オーディオ | Trackback | Comments(1)